courseraでESSEC Business SchoolのFoundations of marketing analyticsを聴講コースで受けたのでまとめました。
https://www.coursera.org/learn/foundations-marketing-analytics/home/welcome
カリキュラムは次の通りで、Rを使っての実習もありますが、今回はRの実習は飛ばしました。実習の大半はRFM分析なので、BtoBでは使いにくいためです。
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Module0:Introduction to Foundation of Marketing Analytics
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Module1:Statistical segmentation
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Module2:Managerical segmentation
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Module3:Targeting and scoring models
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Module4:Customer lifetime value
Module1:Statistical segmentation
セグメンテーションは、セグメンテーション変数(Segmentation variables)で切ります。セグメンテーション変数とは、どれくらいの頻度で購入するか、どれくらいの金額で使うか。
セグメンテーション=1が顧客全体。
情報を整理するのがセグメンテーションであり、その過程で多くのデータが失われることになる点は意識すること。データの消失量は、セグメント数が小さいと多く、セグメント数が多いと少なくてすむ。情報を失いたくない場合はセグメントの数を多くする。
セグメントの切り方がわからない場合はdendrogram(系統樹)が便利。
segmentation variables(セグメンテーション変数)は、経営上で達成するゴールを知った上で決定すること。
セグメンテーション変数の例
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同じページに訪れた
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クリック回数
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滞在時間
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利益
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メール反応率
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Recency
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Frequency
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Monetary value
セグメンテーション例
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経営上の目標が将来の購入、利益:Recency、Frequency、Moneraty value(RFMセグメンテーション)
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メールキャンペーン:利益、反応率
data transformation
セグメンテーション変数のsclae(尺度)は、セグメンテーション変数によって異なるが、standarize(標準化)することで、scaleが日、ドル、購買機会と異なっていても比較することができるようになる。
data dispersion(分散)
skewness(歪度、非対称性):logをとることで解決する
スーパーの顧客の購入金額でプロットすると、多くの顧客の購入金額は小さく(1,000円、1,500円)、少ない顧客の購入金額が多く(10,000円、10,500円)なる。経営者からすると1,000円と1,500円の違いは大きなインパクトであるが、10,000円と10,500円の違いは小さなインパクトである。logを取ることで解決する。
例えば、この表を、顧客数と金額をそのままプロットしたグラフ、金額にlogをとってプロットしたグラフにする。logをとることで、500円の差であるが、1,000円と1,500円の差と比べて、10,000円と10,500円の差が小さくなることがわかる。
顧客数 | 金額 |
---|---|
10 | 1,000円 |
8 | 1,500円 |
2 | 10,000円 |
1 | 10,500円 |
顧客は日々購入するので、セグメントは定期的に更新する必要がある。顧客の行動に季節性がある場合は、夏休みのセグメンテーション、クリスマス休暇のセグメンテーション、と分ける必要性もでてくる。
Module2:Managerical segmentation
Developing a managerial segmentation
セグメンテーションはsimple、経営に関係のある切り方にすること。切った後のセグメントに対して、同じアクションを取るのであればセグメントを切る必要はなし。
直近で1週間前に購入したセグメントと、直近で1年前に購入したセグメントに対して、同じように電話で催促するのであればセグメントを分ける意味はない。
セグメントできたら、それぞれの事象にどのくらいの顧客がいるのか、平均の値は何か、1年前と比べてどう変わっているか、1年前は存在しなかったカスタマー(non-existent customer)を作る。将来の利益を予想するのに、過去から現在の傾向をつかむことで、予想することができる。
Module3:Targeting and scoring models
calibration data
マーケットポテンシャルを予想するために、顧客の卵を予想することは重要。
顧客の卵を予想することはビジネスにインパクトがある。顧客の卵を予想することで、マーケットポテンシャルを見ることができる。 ターゲットが卵がどうかを予測するのが大事。
calibration data = predictors + variable to predict
次の12ヶ月でカスタマーがどれだけ消費するかを予想するcalibration dataを作る
Module 4 : Customer lifetime value
Customer lifetime value: lecture and recitals
経営者は新しい顧客が将来の利益をもたらすのかをチェックする必要がある。
CLV(Customer Lifetime Value):過去にどれくらいの利益で、そしてこれからどれくらいの利益をもたらすかを表すモデル
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パターン1:50%の値引き->顧客は多いが、短い目でみると低い利益、長い目で見ると低いロヤリティ。なぜなら50%の値引きがあったのできただけで、値引きがなければ購入しない
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パターン2:10%の値引き->顧客は少ないが、短い目でみると高い利益、長い目でみると高いロイヤリティ。
直近はパターン2のほうが良いが、将来的にみるとCLVが高いパターン1が良い
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パターン1:今期1,000円、CLV=10,000円
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パターン2:今期2,000円、CLV=5,000円
セグメントは時間が経つと変化する。
transition matrix:あるセグメントから、あるセグメントに移行する割合
transition matrixと各セグメントにどれくらいの顧客がいるのかを知れれば、3年後、5年後の各セグメントの顧客数を計算することができる。セグメント毎の平均利益x顧客数xdiscount rate(未来は不確定なので)で、将来の利益を計算することができる。
感想
BtoB企業のサイトでは物を直接、販売していないので、今回のセグメンテーション変数のRecency、Frequency、Moneraty valueを用いたRFM分析はできません。なので他のセグメンテーション変数を用いてセグメンテーションを切る必要があります。
セグメンテーション変数で重要なMonetary Value。BtoB企業では製品を直接販売していないので、このデータが取得できません。代理店からのデータはありますが、得られた段階ではかなり丸まってしまっているので、追うのが大変です。
また、セグメンテーション変数の1つの、サイトのユーザー行動も取得が難しいです。多くの企業はGoogle Analytics(もしくはAdobe Analytics)を利用しているかと思います。
データ抽出はGoogle Analytics360があれば、BigQueryで簡単に抽出できるのですが、うちはGoogle Analytics360を導入していないため辛いです。データはGoogle アナリティクス Reporting API v4、もしくはTableauのAPI(Google アナリティクス Reporting API v4をラップしてあるAPI)で取得しています。Adobe Analyticsは簡単に抽出できるのかもしれませんね。
今の会社ではセグメンテーションの切り方は試行錯誤してやっています。正解がない作業なので難しいです。正解を探すのではなく、メンバー、そして周りの納得感を得られるように作るのがキモではないでしょうか。
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