大本営参謀の情報戦記

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Twitterに下記の投稿が流れてきて、面白そうだったので読んでみました。確かに面白いし、全ての人が読むべきだと思います。

 

 

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本の内容

第二次世界大戦で、日本は「情報」の重要性を認識しておらず、情報のプロを養成する機関がなかった。一方、アメリカは「情報」からアウトプットを出して戦略、戦術を練って戦った。

第二次世界大戦では技術革新によって飛行機が戦争で使える兵器となっていたが、日本軍は飛行機を重要視していなかった。日露戦争での成功体験をそのまま引きづり、空軍の重要性を認識しないまま第二次世界大戦に突入してしまった。

一方、アメリカは、これらかの戦争は空軍が重要であることを認識し、空を抑えるということで戦争に勝った。

 

筆者は、戦争を通して、情報の集め方、使い方、が日本とアメリカで天と地ほどの差があると指摘しています。

 

感想

飛行機が戦争でも使える代物になっているということは日本も知っていたはず。だけど、日本はその情報と他の情報を掛け合わせて、アウトプットする力が足りていなかった。情報はそこらへんに転がっているけど、それが隠されたものにしろ、パブリックなものにしろ、意識しないと流れていってしまいます。

 

何か事象が発生して、得られるデータは、昔よりかも遥かに多くなっています。情報を収集して、どの情報が重要であるかを見抜き、加工して、意思決定に必要な形にすることが大事ですが、意思決定に必要な形にする、難しさは昔よりかは 上がっていそうです。

技術革新によって情報の収集、加工は、色々な手法があるけれど、それを使いこなすには勉強が必要です。

 

これをB2B企業のデジタルマーケティング担当の立場から、どのようなことが言えるのでしょうか。確かに社内からアクセスできるテーブルには情報がいっぱいあります(ただ、構造が汚くて読む気を無くします)。それを意思決定のできる形にできるかは、利用者、企業、業界、それぞれの知識を組み合わせなくてはなりません。

 

この作業は非常に手間ですが、情報の収集、加工の大切さは、この本で何度も指摘されています。デジタルをうたっている担当者はこの領域にタッチしないと価値を見出せないはずです。

マーケティングの領域には、新しい技術がどんどんと流れ込んできています。また並行して、ドメイン知識も蓄えなくてはいけません。

 

時間がないなあ、といいつつできることからコツコツやることが大事ですね。

 

日本陸海軍の情報部について

最後に、アメリカが1946年4月に「日本陸海軍の情報部について」という報告書をアメリカの政府に提出しているので引用します。

  1. 軍部の指導者は、ドイツが勝つと断定し、連合国の生産力、士気、弱点に関する見積もりを不当に過小評価してしまった。(国力判断の誤り)
  2. 不運な戦況、特に航空偵察の失敗は、最も確度の高い大量の情報を逃す結果となった。(制空権の喪失)
  3. 陸海空軍の円滑な連絡が欠けて、せっかく情報を入手しても、それを役立てることができなかった。(組織の不統一)
  4. 情報関係のポストに人材を得なかった。このことは、情報に含まれている重大な背後事情を見抜く力の不足となって現れ、情報任務が日本軍では第二次的任務にすぎない結果となって現れた。(作戦第一、情報軽視)
  5. 日本軍の精神主義が情報活動を阻害する作用をした。軍の立案者たちは、いずれも神がかり的な日本不滅論を繰り返し声明し、戦争を効果的に行うために最も必要な諸準備を蔑ろにして、ただ攻撃あるのみを過大に強調した。その結果彼らは敵に関する情報に盲目になってしまった。(精神主義の誇張)

 

今の会社でもずばり言えることだらけですね。私は一緒くたにカテゴライズする国民性、県民性なる好きな言葉ではないのですが、改善されないところを見ると国民性なんですかね。

データを扱っている身からすると、そんなことで括らないで、どうにかしたいものです。

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